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今日の伝言板



心臓、脳、血管を考える

2024年04月15日



心臓を考える
(図は医学書より拝借)



最近は何らかの心臓疾患を持たれている人が良く来られるようになった。
不整脈、狭心症、心筋梗塞など。それらの人はもちろん病院での治療や検査をされている人である。
薬も大体10種類くらいを飲まれている。これらの薬も毎日となるとかなり負担らしい。
私でもこれらを毎日飲むとなると大変と思うな。
それでも体の調子が良ければそれでいいのかもしれないが、余り芳しくないので別の薬を希望しても
変更してくれないとの苦情もよく聞く。
しかし、商品名はそれぞれの製薬会社が付けているので名前が変われば違っているように見えるが、
その化学名は同じ場合が多い、これらの薬は昔からほとんど変わっていない。

私の父も心臓を患って入退院を繰り返していたからよくわかっている。そして、肺水腫となって亡くなっていった。
この当時は漢方薬については無知だったので私自身救いようがなかったので残念な気持ちが残る。
私自身も父の年齢に近づいて来ているので心臓や脳血管については研究している。
それもなったからというのではなく、ならないように研究している。
そして、毎日それらの薬を飲んでいる。なったから飲むのもあるが漢方薬はならないようにも飲むことができる、
これが新薬と漢方薬との大きな違いである。

心臓を動かしている心筋に必要なのは栄養と酸素なんだ。それと、血管中に血栓を造らないようにする。
これが非常に大事なことである。
栄養は食事が主だが酸素を運ぶのはなかなか難しい、新薬では先ずその作用は期待できない、
しかし、生薬は元々酸素を運ぶ能力があるし、その中でも丹参はその最たる生薬といえる。
それに、田三七人参は血液をサラサラする作用と血栓を造りにくくする作用に優れている。
これらを他の薬方と一緒に飲むことによって私の心臓は元気に動いている。

年齢に関係なく若い人でも狭心症や心筋梗塞、動脈瘤、大動脈解離などを起こしている。
なってからでは遅いので、ならないように未然に防ぐことはできないのかな?
しかし、漢方薬の良いところは未然に防ぐことができるということです。

さて、狭心症、 心筋梗塞ってどんな病気?この病名はよく聞くけど実際はよくわかっていないようなので一応説明します。

ある書物によると
*狭心症とは冠動脈が動脈硬化によってできたプラーク(血管内部に脂肪や石灰などが溜まり
瘤のように膨らむ状態)によって狭くなり、血液の流れが悪くなって、酸素の供給が不足するため
一時的な胸の痛みや圧迫感などの発作が起こる。
また、血管壁に動脈硬化が原因でできたプラークが破裂し、それを修復しようとして
血小板が集まって血栓(血の塊)をつくり血流をさらに悪くする。
症状としては、胸の奥の何とも言えない痛みや圧迫感が起こる。

*心筋梗塞とは冠動脈のプラークが破裂してできた血栓により、血管が詰まり、
心臓の筋肉(心筋)に血液が行かなくなって心臓が壊死する病状です。

*狭心症や心筋梗塞の原因になるといわれる動脈硬化とは
 本来血液がスムーズに流れるように、弾力性に富み、内壁は滑らかです。しかし、
高脂血症や肥満、加齢、ストレス、活性酸素の増加などによって血管壁が硬くなり、
またプラークなどによって血流が悪くなってくる状態を言い、このようになってくると、
冠動脈に限らず脳動脈、腎臓動脈も悪くなり大動脈瘤、大動脈解離などの原因にもなります。

まぁ、狭心症や心筋梗塞に対しては降圧剤をはじめβ遮断薬、カルシウム拮抗剤、血管拡張剤など
いろんな薬品が開発されていますが、未病を防ぐためには利用できません。
いったんそのような状態になればかなりの種類の新薬が出ます、
確かに心臓機能を調整したり、血管を拡張したりと作用はありますが副作用もそれなりに多いです。

毎日の食事などに注意を払っても現在の食事環境ではこれらを未然に防ぐことは非常に困難な状況だと思います。
スーパーマーケットなどに行って見てみると、食材よりも出来合いの食品がものすごく多いのにはびっくりする。
いわゆる超加工食品といわれているものなんだが今これが糖尿病、高血圧、高脂血症、
黄斑変性症、網膜症などの原因になっていると海外で問題になっている。
食品の中でも、塩、油、砂糖のバランスがよく取れている食品がよく売れるといわれている。
それに添加物がしこたま混入されている。まぁ、この傾向は収まらないだろう。
だから、できるだけ素材を生かした手料理を造ることが大事なことだ。
それに、病院では言わないが活性酸素の害が極めて多いと思う。
コロナウイルス、戦争、災害などが一緒に襲来している。いまだかってなかったような事態に入っている。
今までよかったものが次々とダメになっていく。まさに、混沌とした状態が続いている。
こんな時代を生き抜いていかねばならない。また最近では著名人の方が心臓病や血管障害で亡くなっていく
記事をよく見かける。
私もこんな状態にはならんように普段から食生活には気を付けている。
幸いにも私は漢方を学んでいるので、心臓、脳、肝臓、腎臓などを健康に保つ生薬を飲んで健康に暮らしている。
生薬の中でも特に毎日使用しているのが丹参と田七人参なのだ。

丹参について:漢方生薬は元々酸素を運ぶ作用があるが、その中でも丹参は特別多く運ぶといわれている。
         中国では心臓病や脳血管障害によく使用している。 冠心二号方という薬方

田七人参について:①冠状動脈の血流量を増加して心臓機能を強化する
              ②毛細血管を拡張させ、血圧を下げる
              ③血栓の原因となるプラークを除去する
              ④血液中の活性酸素を除去する
              ⑤肝臓の血流量を高め肝機能をたかめる
              ⑥抗炎症作用と鎮痛作用が強く傷や障害箇所を早く治癒するように働く
              ⑦血液をサラサラさせる反面、止血にも優れており相反する作用を
                 持つ不思議な人参 


Posted by 漢方相談あうん堂薬局 at 12:40Comments(0)あうん堂の考え方

腎臓病・糖尿病性腎症と人工透析の間

2023年07月20日


(図はネットより拝借)
人工透析に入る人は年々増加している。
最近の傾向を見ていると慢性腎不全、糖尿病性腎症などその他の理由で人工透析に入る人が多いように思う。
以前糖尿病の研究会での話だったが、きっちりと病院で言われたとおりに食事や薬を飲んでいてもその内の70%位が人工透析に入ってしまう、と言われていたな、

血糖降下剤を始め降圧剤、抗血栓薬、造血剤、電解質バランス、血液さらさら、免疫抑制剤など数多くの新薬を駆使しているものの、ついにはしなければならないような状態になってしまうのは何故なのか?私としては非常に疑問を感じる。

さて、今から約5年ほど前に来店された高齢の女性が言われるには「後数か月から一年以内には人工透析に入る」と病院から言われたということだった。その女性のご主人も過去に人工透析になって早くに亡くなられたと言われていた、それで、人工透析だけはやりたくないとのことで
漢方生薬を希望された。それで、病院での検査資料などを見ながら漢方薬を飲んでもらうことになった。
あれからもう5年になるが二週間ごとにずっと薬を取りに来られている、体調も良く検査結果もよいとのことだ。

たくさんの化学薬品と天然生薬での漢方薬との臓器に働く作用の違いを考えさせられている。もちろんのこと、食事内容もアドバイスし守ってもらっている。ただ単にKaやNaイオンだけではなしに腎に帰経する食事での漢方的な注意がある。これは漢方独自の食事療法なのだ、これらを守って頂いて始めて腎臓が生き返る。まさに医食同源なのだ。
また、一旦は人工透析に入っている人も機能をもう一度よみがえさせるのを期待して、またそれ以上悪化させないように漢方薬を飲まれている人もおられる。
漢方生薬にはそれだけの力があるようだ。腎臓もそうだけど肝臓もまた漢方生薬の方がいいようだ。昔から肝腎要と言われるがここをしっかりさせるにはやはり天然生薬がいいように思う。長年見ていてそのように思うし、それは結果に出てくるのが何よりの証拠だと思う。
現在腎不全のひと、人工透析を言われている人もあきらめないで、いま一度漢方薬をお試し下さい。
Posted by 漢方相談あうん堂薬局 at 06:00Comments(0)あうん堂の考え方

活性酸素を考える

2023年05月01日



(何故か縦になりませんね)
活性酸素と聞けばなんか体を力づけて良い方向に働くと思われがちなんですが、
これは体にとっては非常に悪い作用をするようです。
昔といっても私がこれについて研究を始めた頃今から30年ほど前になりますが、
当時はまだそれ程知られていなかったし研究者も余りいなかったように思いますが
最近ではそれに対する研究者も多くなり、その研究書籍も多く出回るようになって来ました。
結論的に言いますとそれが人の体にとっては非常に悪い作用をするということが
分かって来ています。
現在、私がラジオ放送を通じてその実態(体内で発生している活性酸素の種類)、
発生原因、それが原因で起こるであろうといわれている病気の種類、
活性酸素の消去法などをお伝えしていますが、このブログ記事でも取り上げて
広く知って理解していただきたいと思っています。

さて、人は生命の存続させるには空気を吸ってその中の酸素を利用している。当然といえば当然の事なんだけれども、その呼吸した酸素の2%
くらいが活性酸素のなるといわれている。この程度の発生ならばどおってことはないんだけれど、実際の生活に於いてはかなりの量が発生しているらしい。
その原因というのを挙げてみる。
①化学物質 病院から出される新薬、食品添加物、防腐剤、洗剤、農薬など
②自動車の排気ガス、
③電子レンジから出る高出力電磁波
④高圧線の近く
⑤病院でのレントゲン、CT 
⑥タバコの煙
⑦精神的ストレス
など現代の生活環境がすべて入る、それと最も発生させるといわれているのが、ストレスらしい。
強いストレスがかかると体内で自律神経の交感神経と副交感神経の緊張の比率が変化して、
その変化するときに多量の活性酸素を血液中に放出するらしい、
その緊張が続くと様々な病気の原因になると言われている。
その活性酸素といっても軽度のものでは過酸化水素を発生する。
例えば、牛乳を考えてみると、今スーパーマーケットに並んでいる牛乳には二種類あって、
130度2秒殺菌の高温殺菌のものと、70度30分の低温殺菌のものとあるが130度2秒殺菌は過酸化水素水を多量に
含まれているということだ。
しかし、過酸化水素ではなくてヒドロキシラジカルというものを含んだ状態になると非常に危険な状態になっていく、
過酸化水素の状態ではSOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)という酵素で分解できるが
ヒドロキシラジカルまでなってくるとSODでは分解不可能な状態になって、DNAまで悪い作用を及ぼす
ということです。このような状態が続いていれば、今習慣病とか言われているほとんどの病気の原因になってくるということだ。
病気にならないようにするためにはこれを未然に防ぐことが重要だ。
最近には武漢ウィルスが何派にも及んで今までの生活様式が大きく変化して、人それぞれに受ける
ストレスは過大なものになっている。
従って、これらの活性酸素を少しでも発生させないような生活様式やストレスの緩和ケアに
力を注いでほしい。
この時にストレス緩和のために安定剤に頼ることだけは絶対にしてはならない。
Posted by 漢方相談あうん堂薬局 at 21:30Comments(0)あうん堂の考え方

この度の新型コロナウイルス感染について

2022年08月06日

今回流行の新型コロナウイルス感染について

この度の新型コロナウイルス感染にはわたしもびっくりしている。
お客さんからよく電話がかかってくる。家族とか親戚の者が感染して先ず、
*発熱して40度にもなる、
*それから喉の痛みが普通ではない、
*お腹の調子が非常に悪くなるという この3点が大きな特徴なんだな。
それで、直ぐに薬を送って欲しいという依頼なのでこの3点に対応する漢方薬を
すぐに送っている。
最近は郵便は信用できない、下手をすると近くでも4~5日かかることもある。
で割高でも宅配便を使うようにしている。少なくともあくる日には到着する。

先ず発熱には麻黄湯か解肌湯、喉の痛みには金羚感冒散、お腹の変調には
  藿香正気散などがよい。
これらの飲み方にはそれぞれの特徴があるので漢方薬が着いたら連絡してもらって
飲み方を言っている。
結果はなかなかいいようだ。これらの漢方薬を常々家においてほしいと思う。

でも、不思議だ。同じ家族の中でも普段から常時漢方薬を飲んでいる人、
特にウィルスに対する抵抗力をつける漢方薬を飲んでいる人はもちろんのこと、
別の漢方薬でも飲んでいる人はかかっていない。
同じ家族の中でもこんなにも違うのかと考えさせられる。とにかく、ウィルスに
対しては漢方薬はすばらしい力を発揮する。

また、ネットの報道では新型コロナウイルスのほかに手足口病、プール熱、
ヘルパンギーナなどが流行りだしている。
これらはすべてウィルスによるものなので漢方薬を常備して頂きたいと思う。
Posted by 漢方相談あうん堂薬局 at 22:00Comments(0)あうん堂の考え方

研究会の案内

2021年07月22日



(ウィキペディアより引用)
混沌という生物?
なかなか更新できぬまま半年が経ってしまいました。ウィルスの勢いは一向に衰えることなく変異を続け終息の目途が立たない、今まで永年の間に育まれてきた既成概念は根底から崩れて世の中は大きく様変わりをしていっていますね、先が見えない混沌とした世界が続くのかなぁ?そう混沌を調べてみたらカオスとも云われるようだ。どこかで聞いたような言葉。この上更に大規模な自然災害や戦争が勃発すればもっともっと混沌混沌が深まっていくのかな?

そんなことを考えながらも毎日毎日忙しく動き回っている。好きな釣りも竿を出したままもう何年も過ぎた。
ここ丹波は兵庫県の真ん中、日本海に行くにも瀬戸内に行くにも結構な距離があって気軽には行けないな。
しかし、山の中は静かで夜はひんやりとして、月を見ながらDobyisshiiの「月の光」を聴いているのがせめてもの心の安らぎ。

最近はお客さんも急に多くなってきていろいろな病状への対応・研究にも力を注いでいる。
お聴きしているとその病因も複雑で、尚且つここに来られるまでに病院からしこたま沢山の新薬を飲まされている。
鎮痛剤、胃薬、抗アレルギー剤、睡眠導入剤、安定剤と次から次と泥の上塗りのような薬の出し方。
患者さんは分けのわからぬまま次々と飲まされてその挙句不調を訴えて来店される方が非常に多い。
いわゆる薬漬けとかポリファマシーとかいわれていますが、これだけ多くの化学物質が体内に入ってきて
人の臓器が上手く処理できるとでも思っているのだろうか?常識に考えてみてもわかるだろう。

今までは漢方とは病院治療の補助的なものと思ってきたのだが、最近になって私の病気に対する研究も進み補助的なものではなくて、中心的な役割を担っているとの確信を持つようになってきました。
さらには、今の医療に対する不信が大きく声を挙げてきています。代替え療法とか言われてそのような書籍も多く見られるようになってきましたが、そのうちに代替えではなくて中心療法になっていくと思います。

私も、現代病を別の角度から考えていこうと賛同する友人などが加わり研究会を立ち上げました。
いいものはいい、あかんものはあかん、おかしいものはおかしいとはっきりと言っていこうと思っています。
ということで
*生体薬理・活性酸素研究会  を立ち上げました。この会を通じて研究成果を発信していこうと思います。
また、同時に発足した*愉しい漢方ライフの会を通じて、生活の中に東洋医薬的考えを取り入れることによって
忘れていた日本文化の素晴らしさ・楽しさをよみがえらせてほしいと願っています。
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血液の大切さ

2017年04月27日



この写真は、体内の血液の量や流れる度合いや心臓の負担などを測定するものですが、25歳から35歳位までの女性を測定しますと、
大体9割位の人が乏血という範囲に入ってきます。
不妊症で相談に来られる人や、産後何年経ってもなかなか体がしっかりしないという人は大抵が乏血型やそれに近い波形が出てきます。
なぜなのかなあーといつも思います。以前このブログにも書きましたが、おそらく食事ではないかと思います。
昭和中期以降の女性と現在の女性を比べますと、確かに背は高くなってすらりとしてきましたが、中身がついてきていないと思います。
私の知り合いの獣医さんが言ってましたが、今の食品はカロリーは高いが栄養価はドッグフードよりも悪いということです。
今一度食事内容を見直すべきだと思いますね。それと冷たい物の食べすぎも原因の一つだろうと思います。
体内でのいろいろなホルモンや栄養素、酸素などを各組織に運び、また反対に不要になったものを腎や肺や庁などに運び、ウィルスなどの外敵から身を守るのも、体温を維持するのもすべて血液なんです。しっかりした体は豊富な血液を作り、充分に循環させることです。
瘀血状態すなわち滞りではいけないのです。
まあ、食事内容を見直すといっても、いい食材を手に入れるのもなかなか困難な時代ですからね。
それをカバーしていくのがまさしく漢方薬の力だと思います。新薬にはまねのできない天然生薬ならではの力です。
血となり肉となるのを助ける昔から有名な漢方の薬方もたくさんあります。
今しっかりと体を立て直していけば、高齢になってからも本物の健康を獲得することができると思います。
永年の漢方薬局をやってきた中で最も大切に思ったことです。
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煎じ薬を研究してわかってきたこと

2016年09月11日





さて、この前の続きですが、煎じ薬を手掛けるようになって解ってきたことがあります。このブログでも書きましたが、私は市民病院を定年退職してからこの世界に入ってきましたので、漢方の勉強はほとんど独学でやってきました。よく漢方薬屋の跡取りは全国にある昔からの老舗に弟子入りして腕を磨くらしいのですが、そんなことができる身分ではなかったのです。
独学と言っても所詮は書物の世界ですから、実感が全く分からなかったのです。
でまあ、開店してから最初は錠剤を扱ってその構成成分の生薬なんかを勉強していきました。その後、エキス散剤なんかも取り扱うようになり、薬方の組み合わせなんかも覚えて、お客様の状態の変化を知ることになりました。
まあ、錠剤にしても、エキス散剤にしても、日本でよく出る薬方をメーカーが造っているだけのことで、この薬方は何に効くとか、これに効くとか、あらかじめ経験的にわかっていて厚労省が認めている効果を我々が応用しているわけです。
また我々は書物の上でこの薬方にはどんな生薬から抽出されたエキス分が入っているとしかわからないわけで、実際にその生薬を見たわけではないのです。ということで、現代の漢方薬というのはこんなもんなのか、とも思いながらやってきたのですが、それと並行して、漢方薬の原点である煎じ薬を研究することになりました。
なぜかと言いますと、例えば、中年の人がよく買い求められる薬に補腎薬というのがあります。
中成薬で海〇補〇丸とか至〇三〇丸とかいうもので写真の真ん中にある黒い粒ですが、また日本でも八味地黄丸とか桂枝茯苓丸なんかが丸剤で出ています。私もよく飲みました。で結論から言いますと、買われたお客様から、「あの薬良かったね」と言ってリピートは全くなかった。反対に「効いているのかどうか、わからない」という意見がほとんど。わたしも長年飲んでもよくわからない一人でした。しかし、これは製剤上の違いなのかどうか一度見直してみる余地があります。でこれらの丸薬は取り扱わないことにしました。

この前、お客様からの依頼で、八味地黄丸料を煎じパックで購入していただきました。それから二週間後再びご購入していただきました。その時「あれ飲んでから、お腹温かいし、何か違うみたい」という意見が返ってきました。う~んやはりそうか。
そんなわけで、最初は、葛根湯とか桂枝湯とかいうような簡単な組み合わせから出発し、錠剤、エキス散剤、エキス散剤を熱湯に溶かしたもの、煎じ薬なんかを飲んで自身でその効き目を確かめていきました。
煎じ薬を造る場合にはその構成生薬を実際に確かめて、口に入れて味を確かめ、書物に書かれている生薬の使用量や効能、性質、帰経などと、日本と中国との違いやその他いろいろの点を研究することができるようになってきました。書物も古い物ですが、手に入るものは高額でも買い求めて、研究するようにしています。
これは錠剤、エキス散剤だけを扱っていたころとは格段の違いを感じています。これこそ漢方の醍醐味なのかなあと思っている今日この頃です。次回は日本の気候と体の痛みについての研究。
Posted by 漢方相談あうん堂薬局 at 23:09Comments(0)あうん堂の考え方

漢方煎じ器を使ってみて

2016年09月08日


この写真は、煎じ器を使って煎じ液を沸騰させている所です。充分に沸騰させた後にパッキングに入ります。1パック100ml位の量でパックしていきます。5月末に入れた煎じ器ですが、それ以後はほぼ毎日稼働しています。お客様の症状をお聞きしてから薬方を決定して、その構成生薬を選別してから、煎じ作業の準備に入ります。それから、パックするまでに約1時間半ほどかかります。出来立てのパックは非常に熱いので、少し時間をかけて冷ましていきます。冷めた時点で、全パックについて一つ一つ中身を検査していきます。すべてに異常がないことを確認してから、説明書などを添付して包装していきます。多い日には3~4人分を作っていきますので、連続作業で大変です。
この器械が入ってから今日で3か月半ほど経ちましたが、ここであることに気づかされました。
それは私が疑問に感じていたこととも重なります。
例えば、「八味地黄丸」についた申し上げますと、今までは、丸剤かエキス散剤でした。まあ、中年以上の腰の弱りとか、おしっこが漏れるとか、何か元気が出ないとか、いわゆる腎虚の傾向のある人に飲んでいただきましたが、続けてお飲みになる人も少なく、いつの間にか止めてしまう人がほとんどでした。聞いてみますと「これといった効果が感じられない」ということでした。私も長年飲んできてやはり同じような思いでいました。
この度、この煎じ器が入ったので、これで「八味丸料」を作り、これを飲んでいただきました。
そうしますと、現在お二人の人から、「今までの薬と何かが違う」という意見が返ってきました。そう私が感じていたことと同じ意見が返ってきました。はっきりとわからなくても「今までとは何かが違う」この感覚が大事で、感覚がそのうち変化として解るようになってくると思います。
ある人がこのように表現したことを思い出します。
錠剤は目標をピストルで撃つがごとく、エキス散剤は散弾銃で撃つがごとく、煎じ薬は大砲で撃つがごとく。
錠剤とエキス散剤と煎じ薬をやってみての別の意味での大きな違いは、また次回で。
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その2 様々な慢性病に出会って気づいたこと

2015年11月20日

永年やっていると実に様々な病気の方が来られます。こんなにもいろんな病気があるのには驚かされます。
たいていの方は病院に行かれていますので病名がついています。それに応じた薬が出ているのですが、
漢方で薬を選ぶには、病名では選びません。本来は証を取ってからそれに病気をかみ合わせてから、最終的に薬を選択していきます。
私が教えを乞うたチャイニーズの先生は、病名で漢方を選ぶと約一割程度、たまたま当たったという程度の効果しか期待できない。
漢方の選薬は、古来より証で選ぶように組み立てられているので、証をとってから薬を決定すれば期待した効果を得られる。
というように学んできましたので、その方法を実践しています。しかしそれだけでは、お客様の苦痛を取るのに少し時間がかかるので
私はそれに病名漢方を加える方法を採用しています。
しかし、最近では、それでもうまくいかないこともあります。
そのような場合には、もういちど元に戻ってその方の病気の成り立ちを推測します。
そのようなことを繰り返しているうちに、あることに気付きました。以前から何となく思っていたことですが、この度はっきりと確信したことがあります。
それは、体内を絶えず流れている血液の重要性です。血液が酸素、栄養、ホルモン、薬物、熱その他多くを細部にまで運び、反対に要らなくなったものを体外に出すのにも働き、細菌やウイルスをやっつける働きもして、人体を守っています。
さて、漢方の世界では、この血液の流れを非常に重要視します。まず、瘀血という考え方です。これは血液の滞りを言いますが、今の医学ではそのような概念はありません。それと血虚です。これも今の医学にはありません。貧血とはまた違います。
瘀血に対しては、桂枝茯苓丸などの流す薬方を、血虚に対しては四物湯や当帰芍薬散などの当帰を含む造血する薬方を用います。
新薬ではこれらと同じような役目をするものはありません。やはりこれは天然生薬の持つ妙理だと思います。
さらに、今私が力を入れているのが薬草蒸しです。血液の循環、体温の上昇これはすごい力を持っていると思います。
痛みの箇所でも、子宮頸がん関係の箇所でも、不妊症でもその素晴らしさを載せています。

この前の日曜日大阪で勉強会がありました。チャイナで中医師としてチャイナで永年医療に携わってこられた先生の講演があったので、拝聴してきました。この日の話は、不妊症についての話だったのですが、その中で、最近の若い女性は、ほとんどが低体温である。
薄着をして、エアコンの効いた所に居て、冷たいものをよく食べる。これでは体温の上がることがない。という話がありましたが、正しく私もその通りだと思います。
いままで当店に相談に来られた女性では、そのほとんどすべてが、低体温の方です。
手足や腰が冷える、寝た時に足が冷たい、腰が冷たい、背中が寒い、頭痛がする、風邪をひきやすい、など体温が低いために引き起こされるいろんな症状を訴えられます。
でこのような方に対しては、当帰剤を中心に血液を流す薬方を加えて飲んでいただきますと、しばらくすると、体がぽかぽかしてきた、とか夜よく眠れるようになってきたとか、生理痛が和らいできたとか、頭痛がなくなってきたとか、腰の痛みが和らいだとか、風邪をひかなくなったとか、色々と良い方に変化していきます。
お客さんの言われる言葉が、身を持って体験された真実だと思います。
ですから私は、瘀血の改善、血虚の改善、体温の上昇この3態をまずしっかりさせることにしています。
これを先にすることによって、あるいは並行してすることによって、本来の病気の改善が大きく違ってくることに気がつきました。
そして、その方法をいろいろな症状の人にすすめていくうちに、間違いないという確信に至りました。





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加齢臭、口臭について考える

2015年05月11日

加齢臭口臭についていろいろ考えました。
昨年秋頃でしたか、妻から臭いねと言われるようになりました。突然のことでびっくりしましたが、私もそんな歳になってきたのかなあと思い、
さてどうしたものか、私の知識でこれをなんとか克服できないものかなあ、とこれを期に臭について取り組むことにしました。
最初は、夜風呂に入るだけではなく朝も入ることにして、頭から全身を柔らかいブラシなどでこすって、上がる直前に、人から聞いていたあるメーカーのしっとりトリートメントを薄くして全身にマッサージしてからタオルで軽く拭き取るようなことを続けてみました。
しかしこれを続けてみても、臭うねというのはなくなりませんでした。さらに、疲れて帰った来た時には、口臭がかなりくさいとも言われ、
ほとほと困ったことが続きました。私は元来胃が丈夫で、今まで胃薬なんてものは飲んだことがないので、胃が悪いなんてことは考えもしませんでした。
ある研究会での話ですが、腸内にあるガスは腸壁から再吸収されて、外に出るのはごく一部で、その再吸収されたガスは体内を回って皮膚表面に出るらしいということを言っておりました。
そのようなことを聞きましたので、肉類、乳製品ははできるだけ控えるようにして、野菜類を食すように心がけてきました。
そんなことがこの冬中づっと続いておりました。でも、でも、臭いといわれるのはなくならなかったのです。
その上、私はお客様相手の仕事をしていますので、家だけでは済まないのです。まあそんなことを悶々と考えているうちに、春が来て、
植え付けが忙しくなり、気温も上昇してきて、汗をかくようになってきました。それと今まで飲まなかった漢方の胃薬を飲み始めました。
すると最近になってから、臭いという言葉も聞くことが減ってきました。
作業でよく汗をかいて、その後汗を流すということで、体臭がかなり減ってきているように私自身も気づくようになってきました。
歳をとると体の代謝も悪くなってくるのは誰もが気付いていることなんですが、その上、作業もだんだんと減ってくる、暑いときはクーラーの効いたところで過ごし、冬は外で作業をすることもない。したがって汗をかくことがない一年を過ごすことになります。
やはり運動による健康な汗をしっかりかくということは、体臭軽減の大きな根拠になると思います。それと漢方の胃薬を飲むことによって、胃の重さが消えてきて、比例して口臭も減ってきているということも、今回わかってきた事実です。
春から夏にかけては汗を充分にかくことができるので良いのですが、問題は冬です。しかし、昨年冬に行った薬草蒸し(特別な柑橘系のハーブを試用しました)で、それをやった時は臭うとは言われなかったので、やはりこれは発汗するということが大きな要件の一つではなかろうかと思いました。まあ、使ったハーブもかなりよかったのもありますが。
それと漢方の胃薬ですね。これで胃の調子を整えるということです。胃の弱りや最近の食べ物の負担というのは、口臭や体臭にも影響があると思います。
よく、加齢臭を消す洗剤なんて売ってますがあれも表面的なもので、やはり体内からの改造だと思いますが。
とにかく、この二つをしばらく続けて、様子を見ようと思っています。
さらに良き成果が発見されたらまたご報告します。

Posted by 漢方相談あうん堂薬局 at 21:00Comments(0)あうん堂の考え方